経営者が知っておきたい「著作権侵害をしない為に意識したい4つのこと」

著作権とは

著作権とは、簡単に言えば「著作物を保護する権利」であり、著作物を創作する著作者に帰属します。

著作物は、著作権法第2条第1項第1号において

「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048

と定義されており、小説、脚本、論文や音楽、演劇、絵画など「著作物」としてイメージしやすいものから、コンピュータプログラムまで幅広く保護されています。著作権は、特段申請などせずとも発生する権利です。

特に経営者にとって著作権の侵害を注意しておきたい著作物は、ウェブサイトに掲載されている文章やイラスト、写真でしょう。

著作権侵害行為とは(定義)

著作権が侵害されたとして、著作権侵害訴訟が起こされた場合、原告は、自分が著作権者であることのほか、

(1)被告の著作物が原告の著作物に依拠して創作されたこと(依拠性)
(2)被告の著作物が原告の著作物と類似すること(類似性)
(3)被告が、著作権法に定める利用行為を行ったこと
の3点を立証する必要があります。

依拠性

著作権侵害が成立するためには、問題となる著作物が、元となった著作物に依拠して作成されたことが必要となります。 依拠性があるかどうかは、類似点がどの程度あるか、創作性があるかどうか等をもとに裁判の中で総合的に判断されます。

類似性

著作権侵害が認められるためには、問題の著作物が元の著作物と類似性を有することが必要です。

この点、判例は、「他人の著作物における表現形式上の本質的な特徴を直接感得できるかどうか」との基準によって類似性の有無を判断しています。

簡単に言えば、単にアイデアが重複しているというだけではなく、元の著作物の表現方法が踏襲されており、かつその表現が著作物の特徴といえる部分である場合、著作権侵害が認められます。

実際に著作権侵害に当たるかどうかは訴訟が提起され裁判で判決がでないと分からないことではありますが、素人判断で安易に既存の著作物を参考にすることは避けるほうがよいでしょう。

依拠性&類似性について争われた裁判事例
ワン・レイニーナイト・イン・トーキョー事件
※上記の裁判では、「偶然の暗合」は著作権侵害にならないと判断されています。既存の著作物に接すること無く、その存在や内容を知らずに既存の著作物と同一性のある作品を作成しても、著作権侵害の責を負うものではないということになります。

著作権の利用行為

著作者の権利としては大きく分けて著作財産権と著作人格権があり、一般的に「著作権」と呼ばれているのは著作財産権です。

著作人格権は、公表権や氏名表示権、同一性保持権で、これらは譲渡できません。一方、著作財産権は譲渡することが可能となっています。

著作財産権は、複製権、上演権・演奏権、公衆送信権、譲渡権、頒布権、貸与権などがあり、これらの権利を侵害した際に、著作権侵害となります。

そのため、例えば個人的に家庭内のみで、音楽を流したり、DVDで映画を観賞したりといった行為は、著作権侵害には当たりません。(もちろん、その音楽やDVDが違法に複製されたものであれば著作権侵害に相当します。)

著作権を侵害しない為に意識したいこと

著作権の問題は、素人にはなかなか判断がつきづらいのが実情です。また、実際に訴訟に至らなかったり、訴訟で著作権侵害とならなかった場合でも、トラブルに発展し損失が発生したりすることも。以下に、主にウェブサイトで文章や画像を掲載する際に気をつけたい点をまとめました。

1.著作権フリーの画像を使おう

もしなんらかのイメージ画像やイラストなどをウェブサイトで使用したい場合、著作権が切れている、もしくは著作権が放棄されている画像を使用しないと、著作権の侵害になってしまいます。そのような画像を提供しているサイトは「著作権 フリー 画像」や「ロイヤリティ フリー 画像」などと検索すると見つけることができます。

また、多くのイメージ写真や画像が必要だったり、無料の画像では事足りない場合は、AdobeやPIXTAといった企業が提供している有料の画像を使うのも手です。

ただし、いずれの場合でも、商用利用の可否などの利用規約をしっかりと確認して使用しましょう。

2.既に使用されていないか、インターネットで検索して確認しよう

既に所有している画像が、実は既に別のウェブサイト等で使用されている場合、それを使用してしまうと著作権侵害の危険性があります。そういったリスクを回避するためにも、インターネットの画像検索を有効活用しましょう。近年は画像検索の精度も向上し、似たような画像も結果に表示されるため、全く同一でなくても、著作権侵害と疑われてしまうリスクも低減することができます。

3.引用のルールをきちんと守ろう

「引用」については、著作権法第32条1項で例外的に認められており、ルールを守って掲載することで画像や文章を引用することができます。

引用する際は、出典元を明示し、一切改変をせず掲載することが必要です。出典元は、引用部分のすぐ下に記載します。書籍であれば、著者、書籍名、出版社名を明記し、サイトの場合は、サイト名を記載し、サイト名の部分にURLのリンクを貼るという方法が一般的です。

4.専門家に相談できる体制を整えておこう

上記の場合は、主に既存の画像やイラスト、文章を使用する際に注意すべき事項ですが、例えば新たにロゴやイラスト、キャラクターなどを作成することになった場合、それらが著作権侵害だと主張される可能性もゼロではありません。思わぬトラブルや損失を回避するためにも、弁護士などの専門家に相談できるようにしておけば安心です。


弁護士費用保険の教科書Bizでは、中小企業法務チャンネルを運営しています。他にも、様々な中小企業・個人事業主の方に役立つ法務情報を弁護士とともに発信しているので、是非参考にしてみてください!

こちらの記事も読んでみる!
サイトM&A(ウェブサイト売買)、経営者なら知っておきたい法律のこと

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

弁護士に相談したくなったらどうする?
弁護士に相談したくなったらどうする?