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不動産オーナー・大家・貸主が知っておきたい家賃滞納発生時の動き方。催促や強制退去の流れとは。

2023年12月18日 2023年12月18日

不動産トラブル
不動産オーナー・大家・貸主が知っておきたい家賃滞納発生時の動き方。催促や強制退去の流れとは。

家賃滞納は、不動産オーナーにとって頭の痛い問題の一つです。1カ月、2カ月程度の滞納ならば、管理会社が対応してくれますが、6カ月以上等滞納期間が長引いた場合は、管理会社ではなく、不動産オーナーが対応しなければならなくなります。しかし、不動産オーナー自身が対処するのは難しいことが多いため、弁護士の力を借りるべき場面が多くなるでしょう。この記事では、家賃滞納、催促、強制退去の流れについて紹介していきます。

賃貸物件の家賃滞納率

1000件に3件の割合で2ヶ月以上の滞納が発生

公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の市場データ(日管協短観)によると、2021年度と2022年度の家賃滞納率の全国平均は次のようになっています。

2021年度 2022年度
1ヶ月滞納 0.9% 0.8%
2ヶ月以上滞納 0.4% 0.3%

引用元 第27回 賃貸住宅市場景況感調査

一時期、コロナ禍により家賃滞納率が上がっていましたが、コロナ禍が落ち着いたことから、家賃滞納率が下がっているようです。割合としては少ないですが、賃貸物件100件のうち、1件の割合で家賃滞納が発生する可能性があることになります。

家賃には消滅時効がある

  • 賃料を請求できる時から5年
  • 賃料の支払期日から10年

家賃は、法律上は「賃料債権」といい、民法の消滅時効の規定が適用されます(民法166条)。そのため、上記いずれかの期日を迎えると債権が消滅し請求できなくなってしまうので注意しましょう。

不動産オーナーは家賃滞納にいつから対処すればよいのか

家賃滞納後は直ちに対処するのが基本

時効まで5年あるからといって、家賃滞納があってもすぐに対処しなくてもいいわけではありません。家賃7万円だとすると、5年も滞納状態を放っておいたら7万円×12カ月×5年=420万円これだけの金額に膨れ上がってしまいます。420万円をすぐに支払えと請求したところで、滞納しているような賃貸人には支払い能力がないことが多いので、裁判を起こしたところで回収は不可能とになりますので、滞納が発生したら直ちに回収するようにしましょう。

家賃滞納が発生した場合の対応手順

最近の場合、家賃の回収は管理会社に任せていると思いますので、家賃滞納があった場合は管理会社が催促するでしょう。不動産オーナーとしても賃借人に直接電話などを入れて滞納している理由を聞くのも手です。しかし、それでも回収出来なかった場合は以下の流れで対応していくことが大切です。

1.家賃保証会社に連絡する

保証会社を利用している場合は、保証会社に連絡することで滞納分の家賃を建て替えて支払いしてくれます。また、滞納した家賃は保証会社が回収してくれます。

2.連帯保証人に連絡する

しかし、保証会社の多くは1〜2ヶ月程度しか保証してもらえません。それ以上の滞納が発生した場合は連帯保証人に連絡をして直ちに支払いを求めましょう。

3.内容証明郵便で催促する

賃借人や連帯保証人に電話で家賃滞納の支払いを求めても無視されている場合は、普通に催促しているだけでは回収は難しくなります。このような場合は、内容証明郵便で督促状を賃借人と連帯保証人の両名に送付しましょう。内容証明郵便で送付する督促状は、後日、裁判手続きの際の資料になりますから、次の点を記載する必要があります。もしも難しい場合は弁護士に相談すれば書いてもらえます。

請求額

滞納家賃の全額を計算して記載しましょう。共益費、水道光熱費等も請求する必要がある場合は合わせて記載します。

支払い期限

今回催促する金額の支払期限を記載します。発送日から1週間程度とすることが多いようです。

振込先

家賃を振り込むための振込先も、伝えているかもしれませんが記載しておきましょう。

支払期限までに支払わなければ、法的措置をとる旨

法的措置と併せて、遅延損害金も発生することを記載しましょう。支払いが遅れると金額が膨らむことを知らせて支払いを促すわけです。

TIPS 内容証明郵便とは
内容証明郵便は、郵便局がこういう内容の文章を相手に確かに送りましたということを証明してくれる制度で、裁判の証拠書類等を作るために利用されます。一般の郵便と違うため、正しい書式で郵便局にて手続きを行う必要がありますが、難しい場合は弁護士に頼めば作成・送付してもらえます。

4.訴訟による回収

内容証明郵便で催促しても、賃借人と連帯保証人のどちらも滞納家賃を支払ってくれない場合は、裁判手続きにより回収を図ることになります。滞納家賃の額にもよりますが、裁判手続きが必要な場合は、最適な手段が何なのかは弁護士に判断してもらった方が確実です。

以下で紹介する手続きは、不動産オーナー自身でもやることができますが、少額の場合に限ります。滞納家賃が多額に膨らんでいる場合や難しそうな場合は、弁護士に相談して、有効な回収策を講じてください。

滞納額や目的によって訴訟の種類が異なる

滞納家賃回収のために利用できる裁判手続きは、支払督促、少額訴訟、通常訴訟の3つです。どれを選択するかは、滞納家賃の金額により異なります。少額であれば、支払督促、少額訴訟を選択し、不動産オーナー自身が手続きでも十分ですが、滞納家賃が多額であれば通常訴訟を選択するのが一般的なため、弁護士に依頼すべきでしょう。また、滞納家賃の支払いだけでなく、賃貸物件からの退去も求める場合は、通常訴訟を利用することになります。

1.支払督促

賃借人の住所地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対して、申立てを行い、裁判所から賃借人に対して支払いの督促をしてもらう制度です。書類審査だけなので、訴訟のように裁判所に出廷する必要がありません

賃借人は裁判所からの支払督促を受け取ると、2週間以内に異議の申立てをするかどうかを選択します。賃借人が異議の申立てを行わなかった場合は、不動産オーナーは、裁判所に申し立てて、支払督促に仮執行宣言を付してもらいます。これにより、強制執行手続きに進めるようになります。

なお、賃借人が異議の申立てを行った場合は、通常の裁判手続きに移行してしまいます。

2.少額訴訟

少額訴訟は、請求額が60万円以下の場合に利用できる簡易な裁判手続きです。原則として、1回の期日で審理を終えて判決を出してもらえます。

詳しくは以下の記事をお読みください。

3.通常訴訟

請求額が60万円以上なら通常訴訟となります。通常訴訟は、賃借人と連帯保証人に対して同時に提起(併合請求)でき、また、滞納家賃の支払いだけでなく、賃借人に賃貸物件からの退去を求める訴えも同時に提起できます。無事勝訴することができれば、判決書を基にして強制執行を行うことができます。また裁判の途中で和解を勧告することも多く、この場合は和解調書が作成されます。

TIPS 和解になったらどうなる?
和解となり和解調書が作成された場合は、賃借人と連帯保証人が、滞納家賃を月々いくら支払うという分割払いの約束がなされることが多いです。その場合は、賃借人と連帯保証人が滞納家賃分の金額を約束通りに支払っている限り、強制執行手続きに進む必要はなくなります。しかし、和解調書で示された約束を守らず、支払いが滞るようであれば和解調書に基づいて強制執行手続きに進むことになります。

裁判後は強制執行手続きを行う

無事訴訟が終わり判決書等を得たら、次に裁判所に対して強制執行の申立てを行います。具体的には、賃借人や連帯保証人の財産(不動産や自動車など)を差し押さえて強制競売等により、滞納家賃分の金額を回収することとなります。

ほかにも賃借人や連帯保証人が会社員等であれば、給与を差し押さえの対象とすることができます。ただし、給与は全額差し押さえることはできないため、月々数万円ずつといった形で回収することになります。もっとも差押えが容易なのは、賃借人や連帯保証人の預金(銀行口座)です。多額の預金があるようであれば、一気に滞納家賃分の金額を回収することができます。

いずれの財産を差し押さえるにしても、財産を調査し、効果的な回収手段を考えなければなりません。自身でやるのではなく、弁護士に相談しながら手続きを進めることをおすすめします。

家賃を滞納する賃借人の強制退去

ここまでは家賃滞納後の債権回収の解説でしたが、滞納をする賃借人は何度も滞納するおそれがあるため早々に退去してもらった方がいいでしょう。そうなった時に必要なのが強制退去手続きです。

大家の力だけでは強制退去は不可能

賃借人が家賃を滞納していたとしても、不動産オーナーが自分の力で賃借人を退去させることはできないことに注意しましょう。

例えば、不動産オーナーが部屋に踏み込んで、賃借人を引きずり出したり、賃借人の荷物を勝手に外に出したりすることです。また、部屋の鍵を変えて、賃借人が出入りできないようにしてしまうことも含みます。こうした行為は法律上「自力救済」と言い、一切認められていません。このような行為をした場合は、不動産オーナーが不法行為を行ったものとして、賃借人から訴えられると負ける可能性が高いので気をつけましょう。

不動産の賃借人というのは法的にかなり強力に守られています。そのため、基本的には賃借人に繰り返し退去を促し、賃借人が任意に出て行くのを待つしかありません。また、退去を促すにしても、脅迫や暴力的な言動にならないように注意する必要があります。

裁判所に強制退去を申し立てる

賃借人に繰り返し退去を促しても出て行かない場合は裁判手続きにより、退去・明渡しを命じる判決を得て、執行官に強制退去の手続きをしてもらうしかありません。上記で紹介した通り、利用できるのは通常訴訟のみのため、弁護士に依頼すべき事案になります。

また、強制退去が認められるためには、次の3つの要件を満たすことが求められています。

1.家賃を長期間滞納している

長期間の目安としては、以前は6カ月以上の滞納が目安でしたが、最近は3カ月の滞納でも強制退去が認められるケースもあります。

2.賃借人に家賃を支払う意思がないこと

賃借人に家賃を支払う意思がないことの証拠として利用できるのが、家賃の支払いを促す内容証明郵便による督促状等です。これらの督促状を送っても支払いがなされていないことを主張します。

3.不動産オーナー(大家)と賃借人の信頼関係が崩れていること

賃借人が上記の督促状を無視していることも信頼関係が崩れていることを推認させる事実ですが、それ以外にも様々な観点から判断されます。

もしもの備えた弁護士を月額数千円で

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