【弁護士が解説】コロナ禍での中小企業経営者の破産①緊急事態宣言の再発令を受け考えるべきこと

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中小企業経営者の破産について、コロナ終息後に再起するために破産をどのように考えておくべきか、弁護士が徹底解説します。

今回のテーマは、コロナ禍での中小企業経営者の破産

コロナ禍での中小企業経営者の破産

今回は原弁護士にお越しいただいております。

皆さんこんにちは。弁護士の原和良です。

今回は、破産という非常にネガティブなテーマですが、今コロナという厳しい状況下だからこそどのような形で事業を終えて、そして次に繋がるように進めていくのかについてお話しをいただければと思います。

二度目の緊急事態宣言を受けて

コロナ禍での中小企業経営者の破産

まず、2021年1月7日に2回目の緊急事態宣言が東京と首都圏3県に発令されましたが、第1回目の緊急事態宣言の時に共同通信社が事業者向けに行なったアンケートをご紹介させていただきます。

2020年4月26日に開示された中小企業調査で
「感染拡大がいつまでに終息すれば経営的に乗り切れるか」
といった内容になります。

コロナ感染拡大と中小企業の破産

アンケート結果は「2ヶ月から3ヶ月がギリギリだ」という企業が6割に達したという大変ショッキングな内容でした。

その後政府が持続化給付金や、家賃の援助の制度、休業に対する補償、緊急融資制度などのいろいろな施策を行なった事で思っていたより倒産は増えませんでした。

そうですね、当時はもっと多くの中小企業が倒産してしまうと思っていました。

1回目の緊急事態宣言も終わり、少しずつ経済が回り始めたところに2回目の緊急事態宣言が発令されましたので、借りたお金も底を尽きて返さないといけないとか、色々な痛みを我慢してる中でさらに追い打ちをかけられたという皆さんはいらっしゃると思います。

破産のイメージ

コロナ禍での中小企業経営者の破産

破産という言葉に対しては非常にネガティブなイメージを持っている方がほとんどだと思います。

ですが、破産とはどのような制度なのか、どのような事が起きるのかを事前に知識として持っておくことが最悪の事態に備えるという意味でも大事だと思います。

では、何故破産という制度・言葉に悪いイメージがつきまとうのでしょうか?

それは日本人の真面目な気質が要因でして、借りたものは返さないといけないという「恥の文化」があることが一つの要因だと思います。

また、大きく欧米と違う点として、中小企業事業者の場合は会社でお金を借りても多くの場合保証人を付けさせられます。

お金を借りる時に社長は連帯保証人にならなければいけない、あるいは自宅の土地や建物、会社の土地や建物を抵当権という担保に差し出さなければならないという事があります。

たしかに会社の借金=社長の借金というイメージは強いですね。

つまり、会社の事業が倒れてしまうとそれを担っている経営者も一緒に倒れなければならないということになっており、このような日本の金融システムの問題もあります。

欧米の場合は、事業は失敗するのが当たり前。
失敗を重ねる中でいろいろな経験を積んで経営者は一人前になっていくといった考え方があります。

ですので、事業と経営者個人の財産を明確に分離するという法制度になっているところが大きな違いです。

日本人の真面目な気質と法制度によって、破産に対してのネガティブなイメージが強まっているんですね。

カーネルサンダースの歴史

コロナ禍での中小企業経営者の破産

例えば、ケンタッキーのカーネルサンダースさんは店舗が焼けて破産し、一文無しになったのが65歳です。
そこからフライドチキンのチェーン店の事業を始めましたが事業の失敗を糧に大きな成功を収めてます。

アップルの創設者スティーブジョブズも同じです。

リンカーン大統領も若い頃に事業を失敗しています。

今話題のトランプさんも会社を7回潰しています。

そのような事例から考えると、事業は失敗するのが当たり前で、そこから新しいイノベーションが生まれるといった側面もあります。日本も少しずつ制度が変わってきていますが、もっともっと変わっていかざるを得ないと思います。

破産手続きの流れと目的

コロナ禍での中小企業経営者の破産

では、具体的に日本の破産制度や破産法が、どのような仕組みになっているのか解説していきたいと思います。

お願いします。

破産とは、資産よりも負債の方が多いため整理をするという事です。

つまり、今の会社の資産では全ての負債を支払う事が不可能ということです。

言い方を変えると
「皆さんに全ての負債をお返しできない時にどうすれば公平で適正な分配ができるのか?」
というルールを定めたのが破産法の一つの目的と言われています。

そういった目的があったんですね。

はい。また、もう一つ大きな目的が破産法にはあります。
負債を支払う事が出来なくなった債務者、特に経営を担っていた個人経営者の皆さんの、経済生活の再生の機会を確保する事が破産法の目的の一つです。

つまり、負債を背負った経営者の人たちがもう一度借金に苦しむことなく、人間らしい生活を取り戻すためのサポートをしていく事がこの破産法の目的です。

ただ、どうしても最初にお話した債権者目線の話が重視される傾向にあります。

そうですね。経営者の再起というよりも債権者の回収といったイメージが強いですね。

債権者の回収はあくまでも目的の一つであって、もう一つの経営者を救済をしていく、再生を後押ししていく事が破産法の大事な目的です。

特に私は経済的に行き詰まった経営者のサポートをしている弁護士として、2つ目の目的をきちんとサポートしていきたいと思っています。

借金返済・取立てからの解放

破産手続きの流れ

破産の手続きに入る場合は、基本的に弁護士が債権者に対して
「受任の通知」=整理の委任を受けましたという通知
を発する事から始まります。

その通知が来るとどうなるのでしょうか?

金融機関・貸金業者の皆さんはこの通知がくると直接本人に対して、電話を掛ける・訪問する等の接触をすることが禁じられてしまいます。

毎日の取り立てで夜も眠れない経営者の皆さんが「受任通知」を発しただけで、電話がピタッと止まり、会社に押し寄せてくる人達もいなくなります。

精神的に落ち着きを取り戻すことができます。

その中で実際に資産の整理を行い、今後の再生に向けた準備を落ち着いてできるように環境を作っていく事が、弁護士介入の大きな目的の一つでもあります。

一定の資産状況・負債状況の整理ができた時点で、裁判所に対して破産手続き開始の申し立てを行います。

特に個人の場合は管財人がつかない簡単な手続きで破産手続きが進められます。

これは同時廃止手続きという手続きで、一度裁判所に出廷を行えば手続きが全部終わります。

破産管財人の設置

破産管財人の設置

事業の経営者・法人の破産については管財事件という事になり、財産を管理していく為に裁判所が破産管財人として社長に代わる権限を持った弁護士を選任します。

この破産管財人の下で資産の調査や、債権債務の調査を行い、債権者の皆さんにお支払いができる原資がある場合には配当手続きに進みます。

このような調査を行ったとしても、配当に回せるだけの財団(お金)が集まらなかった場合は、配当なしでの破産手続きの廃止に進んでいくことになります。

ありがとうございます。
今回は破産の制度や流れ、イメージについてお話いただきました。次回は、私も非常に気になるテーマですが、破産時に守られる財産・資格についてお話いただきたいと思います。


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