顧問弁護士より安い?法人向け弁護士費用保険「コモンBiz+」に加入すべき企業とは?

中小企業の経営には取引上のトラブル売掛金未回収トラブル従業員とのトラブルなど様々なリスクが潜んでいます。
安心して事業を運営するために弁護士と顧問契約を結ぶ企業も多いですが、最近では「弁護士費用保険」で法的トラブルに備える会社が急増しています。そもそも「弁護士費用保険」とはどんなサービスなのか? 加入条件や気になる保険料も含めて解説します。

この記事の内容は、動画でもご確認いただけます。

 

弁護士費用保険とは?

弁護士費用保険とは、弁護士へ相談・委任する際に必要となる弁護士費用を補償する保険です。略して「弁護士保険」と呼ぶこともあります。

高額になりがちな弁護士費用ですが、保険会社からの保険金を弁護士費用に充当することで、自己(自社)負担が軽減され弁護士を気軽に利用できるようになります。

弁護士保険はドイツでは42%、イギリスでは75%、スウェーデンではなんと95%の国民が加入するほど海外では普及が進んでいます。(※1)

日本でも2013年に個人向け、2017年に事業者向けの弁護士保険が生まれました。この国内初(※2)の事業者向けの弁護士費用保険が、エール少額短期保険のコモンBiz(ビズ)です。

2017年の販売開始以降、順調に契約件数を伸ばしていましたが、更なる企業のニーズを反映すべく2020年9月に「コモンBiz」から「コモンBiz+(ビズプラス)」へ商品改定が行われ、以前より補償割合等(※3)が大幅に改善されました。

※1【出典】弁護士白書 2019年版「資料 特2-3-2 保険商品の要素に関する海外諸外国比較一覧表」より
※2 単独で加入ができる弁護士費用保険として(株式会社プロローグ調べ)
※3 コモンBiz+では補償割合のことを「基本てん補割合」といいます。

 

「コモンBiz+」 2020年9月の商品改定

上述の通り、「コモンBiz+」は2020年9月に商品改定が行われ、補償内容が大幅に良くなりました。
以前より「コモンBiz」をご存知の方は、こちらを見ていただくと、いかに補償内容が良くなったかお分かりいただけるかと思います。


基本てん補割合(補償される割合)が大きくアップ
3つのプラン全てで「事件委任時の着手金」のてん補割合(補償される割合)が100%になりました。
プレミアムとスタンダードの「事件委任時の報酬金」の基本てん補割合も大きくアップしています。


「リーガルチェック相談サービス」の無料で相談できる時間が30分から1時間にアップ
契約書のチェックや相談は同一事案につき、30分程度の内容までが無料でしたが、「リーガルチェックの場合、30分程度では効果的な助言を受けられない」というお声を受け、無料時間が1時間に延長されました。


それでは、これらの詳細を含め、弁護士費用保険「コモンBiz+」のご説明を行っていきます。

 

「コモンBiz+」 保険金の種類

「コモンBiz+」で支払われる保険金の種類は大きく分けて以下の2つがあります。

法律相談料保険金 法務費用保険金
弁護士へ支払う法律相談料および法律相談に付随して発生した手数料等に対して支払われる保険金です。 弁護士等(※1)への事件委任(訴訟、調停、示談などの交渉)によって生じた、着手金・報酬金・手数料・日当に対して支払われる保険金です。
※1 弁護士等:弁護士のほか、一部の司法書士・社労士にも適用可能です。

 

「コモンBiz+」 補償されるトラブル内容

「コモンBiz+」で保険金が支払われる主なトラブルは、以下のようなトラブルです。

・一般事件(職業・事業上のトラブル)
・偶発的な事故 <赤枠内のトラブル>

 

「コモンBiz+」 保険金が支払われない主なケース

保険金が支払われない主なケースとして、以下の3つのケースがあります。

  • 責任開始日に原因事故が発生したトラブル(画像で見る
  • 待機期間に原因事故が発生した「一般事件」画像で見る
  • 不担保期間に原因事故が発生した「責任開始日前に締結した契約に係るトラブル」画像で見る
責任開始日とは、補償が開始する日のことをいいます。
待機期間と不担保期間とは、保険加入後に原因事故が発生しても、保険金支払の対象とならない一定の期間のことです。
待機期間は責任開始日より3ヶ月間不担保期間は責任開始日より1年間となります。

 

「コモンBiz+」 付帯サービス

「コモンBiz+」には保険加入者に無料で提供される付帯サービスがあります。活用することで法的トラブルの予防に繋がります。

弁護士検索サポート トラブルの内容に応じた弁護士探しをサポートします。24 時間365日、何度でも無料でご利用いただけます。約600の法律事務所の中からエリア・トラブルの内容をもとに最適な弁護士にご相談が可能です。
弁護士直通ダイヤル 取引先やお客様とのトラブルに関する初期相談を、弁護士に直接電話で相談できます。一般的な法律上のアドバイスについて20分まで無料相談できます。(回数制限なし)
リーガルチェック相談サービス 契約書や契約内容の相談、突然届いた内容証明郵便などの対応を弁護士に相談できます。契約書のチェックや相談は同一事案につき、1時間程度の内容までが無料となります。利用回数については各プランに応じた上限が設けられており、<エコノミー+>年6回、<スタンダード+>年8回、<プレミアム+>年12回となっています。

 

「コモンBiz+」 3つのプラン

「コモンBiz+」には3つの料金プランがあり、全てのプランで着手金の補償割合が100%と手厚く、それ以外の限度額や報酬金の補償割合などに違いがあるため、事業者のニーズや予算に合わせて選択をすることが可能です。

プラン表は以下の通りとなります。

プラン プレミアム+ スタンダード+ エコノミー+
法律相談料保険金
保険金額(年間限度) 100万円 50万円 30万円
保険金額(事案限度) 11万円 5.5万円 3.3万円
法務費用保険金
保険金額(年間限度) 400万円 200万円 100万円
保険金額(事案限度) 200万円 100万円 50万円
補償割合(着手金等) 100% 100% 100%
補償割合(報酬金等) 100% 50% 0%
保険料
月払 48,000円 24,800円 11,800円
一括払(年払) 567,400円 293,200円 139,500円

法律相談料保険金を不担保にした場合は、以下の通りとなります。

プラン プレミアム+ スタンダード+ エコノミー+
保険料
月払 37,800円 19,800円 9,800円
一括払(年払) 446,800円 234,000円 115,800円

■ プレミアム+
着手金・報酬金ともに補償割合が100%と最も手厚いため、弁護士の利用機会が多い事業者や高単価の商品を扱っており損害金額が1,000万円を超える可能性がある事業者におすすめです。また、顧問弁護士がいて相談料無料の顧問契約を結ばれている企業は法律相談料保険金不担保特約をつけていただくと保険料も安くなりおすすめです。

■ スタンダード+
料金と補償内容のバランスが取れたプランで最も加入事業者が多いプランです。
迷った場合にはこちらをおすすめします。

■ エコノミー+
顧問弁護士がいない事業者におすすめです。
付帯サービスを上手くご利用いただくことで、各トラブルに強い弁護士への無料相談や無料契約書チェックもできるため、予防法務の第一歩として活用いただけると思います。

着手金に関しては、同一保険期間(1年間)での法的トラブル回数に応じた免責金額が引かれます。(1回目5万円/2回目10万円/3回目20万円)
補償割合について、コモンBiz+では「基本てん補割合」といいます。

 

「コモンBiz+」 付加できる特約

「コモンBiz+」では加入者のニーズに合わせ、3つの特約を選ぶことが可能です。
うまく組み合わせることで、保険料を安く設定出来る可能性もあります。

法律相談料保険金不担保特約 法律相談料保険金を不担保(対象外)とすることで、保険料を安くすることができます。
特定原因事故不担保特約 「従業員トラブル」または「不動産賃借トラブル」を不担保(対象外)とすることで、等級をアップすることができ、保険料を安くすることができます。
税理士立会費用補償特約 税務調査に際し、税理士に立ち合いなどを依頼したときの費用を補償します。

 

「コモンBiz+」 加入条件

「コモンBiz+」にはすべての企業が加入できるわけではなく、加入条件があります。
まず、対象となるのは事業者(中小企業・個人事業主・団体など)です。

さらに、以下の2つの条件のうちどちらかを満たす必要があります。

① 年商20億円未満、または年商50億円未満かつ従業員数100名未満
② 過去3年の平均弁護士報酬支払額についても150万円未満(顧問料を含む)

①と②の条件には日本の事業者のうち約99%があてはまりますので、今後さらに弁護士保険の普及が進んでいくと予想されます。

「コモンBiz+」 責任開始日(保険の補償開始日)

さきほどの「保険金が支払われない主なケース」の説明で出てきた責任開始日がどのようにして決まるのかご説明します。

クレジットカード払の場合画像で見る
クレジットカードで申込みをされたときは、翌月1日が責任開始日となります。

口座振替払の場合(申込手続完了が1日〜15日)画像で見る
口座振替払いによる申込みをされたときは、初回保険料を振込にて行う必要があります。
1日〜15日までに申込手続完了され、当月末日までに初回保険料が払い込まれたときは、翌月1日が責任開始日となります。

口座振替払の場合(申込手続完了が16日〜末日)画像で見る
16日〜末日までに申込手続完了され、翌月末日までに初回保険料が払い込まれたときは、翌々月1日が責任開始日となります。

※ 口座振替払の場合、口座振替依頼書を申込画面よりダウンロードし、保険会社に郵送する必要があります。
※ 口座振替依頼書の保険会社到着をもって「申込手続き完了」となります。

 

「コモンBiz+」 おすすめプランと受け取れる保険金の具体例

最後に法人の規模や現在の法律トラブル対策の進捗に合わせて、どのプランに入っておくのが良いか。具体的に訴訟が発生した際の補償額シミュレーションと合わせてご説明します。

① 顧問弁護士を雇っていない事業者
おすすめは「エコノミー+」(保険料:月額11,800円)
一般的に顧問弁護士の顧問料相場は月額5万円前後と言われております。そのため、弁護士を利用する機会はあまりないけれど、いざというときの備えとして加入を検討されている方はエコノミー+プランがおすすめです。訴訟などで弁護士に委任する際の着手金が100%補償されているため、いままでだと弁護士費用の高さが原因で諦めていた方であっても、弁護士を利用することで泣き寝入りすることなく対応が可能です。
<損害額500万円の訴訟の場合>
・弁護士検索サポートを利用して、初回20分間相談無料
・相談料(3時間)→3万円 <3万円補償>
・着手金→500万円×5%+9万円=34万円 <29万円補償>
保険による補償額:32万円

 

② 顧問弁護士を雇っているが相談料が無料ではない事業者
おすすめは「スタンダード+」(保険料:月額24,800円)
<損害額800万円の訴訟の場合>
・相談料(3時間)→3万円 <3万円補償>
・着手金→800万円×5%+9万円=49万円 <44万円補償>
・報酬金→800万円×10%+18万円=98万円 <49万円補償>
保険による補償額:96万円

 

③ 顧問弁護士を雇っている少し規模が大きめ(年商20-50億円を想定)の事業者
おすすめは「プレミアム+」(法律相談料保険金を不担保 保険料:月額37,800円)
この規模の事業者の場合、法的トラブルに遭う件数も増えてきます。その結果、弁護士への相談だけではなく、数年に一度訴訟や示談交渉などを依頼するケースも少なくないかと思います。そのため、着手金・報酬金が100%補償されるプレミアム+プランがおすすめとなります。
相談については全て無料となる顧問契約を締結されている場合は、法律相談料保険金の不担保を選択することで、保険料が月額10,200円安くなります。
<損害額1,000万円の訴訟の場合>
・相談料→顧問弁護士にて無料
・着手金→1,000万円×5%+9万円=59万円 <54万円補償>
・報酬金→1,000万円×10%+18万円=118万円 <118万円補償>
保険による補償額:172万円

 

④ 訴訟には発展しないが小さなトラブルが時々起こる事業者
おすすめは「スタンダード+」(保険料:月額24,800円)
訴訟などの事件委任を弁護士に行うことはほとんどない。けれど、小さなトラブルは時々起こるという事業者は少なくないかと思います。そのような事業者の場合、内容証明郵便の作成代行費用(相場を3〜5万円とした場合)を賄えるように設定されているスタンダード+がおすすめとなります。
<弁護士へトラブル相談を10回、内容証明郵便の作成を4通依頼した場合 >
・相談料(2時間)→2万円 ⇒10回の相談で20万円 <20万円補償>
・作成代行費用(内容証明郵便)→5万円/通 ⇒4通で20万円 <20万円補償>
保険による補償額:40万円
※訴訟や示談交渉になった場合も、他の3つの事例と同じように補償されます

&募集文書管理番号「2020-OP・募-049」


いかがでしたでしょうか?費用保険の教科書Bizでは、様々な中小企業・個人事業主の方に役立つ法務情報を弁護士とともに発信しているので、是非他の記事も参考にしてみてください!

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