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不動産オーナーが知っておきたいサブリースの減額交渉トラブルを防ぐポイント

2020年11月14日 2023年05月10日

不動産トラブル
#借地借家法 #サブリース #賃貸借契約 #判例
不動産オーナーが知っておきたいサブリースの減額交渉トラブルを防ぐポイント

不動産オーナーであれば、様々なデベロッパーから土地活用をして、長期間安定収入が得られるようにしたらどうか?という提案を受けたことがあるのではないでしょうか。しかし、「長期間安定収入」が実現せずに、トラブルになった事例は数多くあります。

ここでは、サブリースに関する判例をご紹介して、不動産オーナーが気を付けたいことを示唆したいと考えています。

サブリースとは

サブリースとは、一括借り上げ、家賃保証制度のことを言います。一般的には、不動産会社やデベロッパーが貸主から賃貸物件を一括で借り上げ、入居者に転貸します。 貸主は入居者の有無に関わらず一定の家賃が保証されるとともに、入退去に関する手続きや家賃の集金業務などから解放されることになります。

サブリースには3種類あると言われています。

■「総合事業受託方式」

土地の確保、建物の建築、建物の賃貸の管理まで一貫してディベロッパーが受託する。オーナーは土地を出すだけ。あるいは土地を買う資金を提供するまでが役割。用地の確保から建築から管理まで全部一括してディベロッパーがやります。

■「賃貸事業受託方式」

用地の確保とか建物の建築はオーナーが実施。これをディベロッパーが一括して借り上げて、ビル賃貸事業に関するノウハウを全部ディベロッパーが提供して行われるものです。

■「転貸」

ディベロッパーがただオーナーからビルを借りるというものです。借りて包括的に転貸の承諾を得て行う転貸もサブリースに含まれると考えられています。

サブリースにおけるよくあるトラブル:減額交渉

よくあるトラブルとして挙げられるのは、減額交渉です。

これは、サブリース業者から、家賃保証が厳しくなった時点で家賃を「下げて欲しい」「保証を続けることが出来ない」と交渉が発生することです。当初は30年など長期で保証するとしながらも、契約書には「家賃の見直しは2年ごとに行える」という内容が含まれていることが多く、不動産オーナーが泣き寝入りするケースも少なくありません。

借地借家法32条とは

ここでポイントになるのは、借地借家法32条1項になります。

サブリースにおける減額交渉は、この法律を背景にして行われています。

 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

WIKIBOOKSより

減額交渉を巡る判例①

■事案の要約
・不動産業者と土地所有者が共同で資金を出し、ビルを建設
・不動産業者が転貸をしていた
・建物竣工後、10年間は家賃保証することを想定していた
・オフィスビルの相場が下落
・建物竣工後の1年後から減額交渉が発生
・合意に至らなかったものの、不動産会社は、減額して振り込んだ
・土地オーナーはそれを不服として、減額された分の補填を求めて、不動産業者を訴えた

■判例の結果の要約
・不動産業者の言い分が認められ、減額された家賃を正当とされた
 -適正賃料と賃料保証額に相当な乖離があること
 -経済事情の変動により、上記が発生したとされた
 -家賃が下がったとしても十分に返済ができ、返済計画に大きな支障は出ない
 -提案が合意に至らなかったものの、相応の金額を不動産業者は支払っていた

■判例のポイント
・賃料が相場と比較して相当な乖離があることによって、減額交渉が認められた事例と言える

判例の詳細はこちらから
https://www.retio.or.jp/case_search/pdf/retio/62-054.pdf

減額交渉を巡る判例②

■事案の要約
・工場の跡地に、不動産オーナーが不動産業者の提案により、ワンルームマンションを建築
・不動産業者は、一部を転貸。入居者の有無に関わらず支払いをすることを契約
・20年間転貸、途中からは2年毎に、自動的に5%賃料を増額する賃料自動増額特約を締結
・不動産業者は途中から減額交渉を開始
・減額請求をされたのに対して、不動産オーナーが不服として訴訟を起こした

■判例の結果の要約
・賃料自動増額特約や賃料保証特約があるからといって、減額請求は否定されることはない
・一方で、賃料自動増額特約や賃料保証特約は十分に考慮されるものではある

■判例のポイント
・特約があったとしても、32条を考慮すると、減額交渉がやむを得ないと考えられる

判例の詳細はこちらから
https://www.retio.or.jp/case_search/pdf/retio/60-026.pdf

おまけ:フリーレントを巡る判例③

■事案の要約
・サブリース業者がフリーレントをした際に、不動産オーナーが
 フリーレント期間中も、賃料支払義務を 負担すべきとして訴訟

■判例の結果の要約
・フリーレントは、事務所あるいは居室等の移転に伴って、入居当初に過大な費用の負担を余儀なくされる賃借人の負担を軽減することで、入居を誘致するための方策として捉えられた
・不動産オーナーに著しい不利益があった訳ではないと検討され、訴訟は却下された

■判例のポイント
・フリーレントについては、特段の事情がない限り、賃貸人には対抗できないとした上で、賃貸人に著しい不利益が生じないものとして、賃貸人に対する対抗力を認めた

判例の詳細はこちらから
https://www.retio.or.jp/case_search/pdf/retio/66-068.pdf

当初の提案がそもそも、相場や近隣環境と乖離していないか?がチェックポイント

上記のような結果を見ていくと、特約があるとしても、経済事情、もしくは、近隣との競争において不相当という判断がされた場合、減額が止む無しとされる可能性が十分にあることが示唆されています。

上記のような背景がある為、不動産オーナーとしては、減額交渉を見越しての無理な提案になっていないかをまずチェックすることが大切と言えるのではないでしょうか。

また、計画の段階から、弁護士に相談をしておくことも有効だと言えます。

 

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