経営者・個人事業主が知っておきたい通信販売における特定商取引法のこと

特定商取引法とは、事業者による違法・悪質な勧誘行為を防止し、消費者を守るために作られた法律です。訪問販売や通信販売等の消費者トラブルが生じやすい取引を対象に、事業者が守るべきルール、そしてクーリングオフ等の消費者の利益を守るルールを定めています。通信販売は商品を目で見て確認できないため、消費者トラブルが発生しやすいです。通販業者がこの法律を理解していないと大きなトラブルになることもあります。今回はQ&Aを通じて、特定商取引法について詳しく見ていきます。

Q.通信販売で有料の情報配信サービスを提供する予定ですが、商品の販売は行わないので、特定商取引法の規制対象にならないと考えて良いでしょうか。

A.「有料の情報配信サービス」が役務、すなわちサービスを有償で提供する契約に基づく場合は、特定商取引法の規制対象になります。

Q.販売価格は実売価格を指しますか。

A.指します。販売価格とは、実際に取引が行われる際に使用される価格のことです。そしてそれを実売価格と言います。市価、定価、希望小売価格、標準価格等と称する価格が表示されていても、実際にはこれと異なる価格販売している場合には、実売価格が表示されているとは言えません。

Q.当社では、販売価格は表示せずに定価のみを表示しており、消費者から問合せがあったときに販売価格をお知らせしています。この場合はかまわないのでしょうか。

 A.かまいません。価格、送料、その他の負担すべき金銭を全て表示しない場合には、消費者の請求によって書面または電子メールにより販売価格等を提供することを広告中に記載しておけば、必要表示事項の一部の表示を省略することが認められています。

Q.通信販売にクーリング・オフの規定はありますか。

 A.    通信販売には、訪問販売等において認められているクーリング・オフの規定はありません。しかし、通信販売の際、消費者が売買契約の申し込みまたは契約を結んだ場合でも、商品の引き渡しを受けた日から8日以内であれば、申し込みの撤回や解除ができます。それでも、商品の引き渡しが既にされている場合は、返品については消費者が送料を負担しなければなりません。

ただし、事業者が広告であらかじめ、返品不可などの特約を明記していた場合、消費者は売買契約の申し込みの撤回や解除ができなくなります。

Q.私は個人で事業をしています。個人事業主であっても事業者名を表示する必要があるのでしょうか。

 A.    事業を行う上で、責任の所在を明らかにすることは不可欠ですので、法人であれ個人であれ、氏名または名称を表示することが必要です。そして、事業者が法人の場合で、ホームページや電子メールを利用して広告をする場合には、代表者名または通信販売に関する業務の責任者の氏名を表示することが必要です。

Q.現在、海外に住んでいますが、日本向けにホームページで通信販売を行いたいと思っております。特定商取引に関する法律の対象になりますか。

 A.対象になります。海外の販売業者が日本向けにホームページなどで商品等の販売を行い、日本国内在住者が商品を購入する場合は、特定商取引法の対象になります。

Q.住所の記載について、海外に在住していて日本向けにネット通販をする場合、日本の実家や友人宅の住所を記載することは可能でしょうか。

 A.海外で業務をする場合であっても、ネット通信販売に関する業務の実際の活動場所を住所として記載しなければなりません。ただし、日本国内に確実に連絡の取れる場合、その連絡先を併記すること自体はできます。


いかがでしたでしょうか?

消費者に信頼してもらうためにも、事業者が遵守すべきルールを基礎から学び、安心できる取引を心がけていきましょう。

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