【弁護士が解説】慰謝料はいくら?離婚・騒音トラブル・誹謗中傷・名誉毀損の慰謝料の相場を紹介。不貞行為・浮気の裁判事例別の請求額は?

弁護士保険

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前回に引き続き慰謝料についてのお話を齊藤弁護士にお伺いしております。離婚・騒音・誹謗中傷などについての過去の事例と相場観・考え方について解説していただきます。

今回のテーマは慰謝料の相場

離婚・騒音トラブル

今回も齊藤弁護士にお越しいただいています。

よろしくお願いいたします。

今回は、前回に引き続き慰謝料の相場ということで、離婚・誹謗中傷・相隣関係トラブル時の慰謝料相場について教えていただきたいと思います。

離婚の慰謝料相場、不貞・暴力・悪意の遺棄

離婚・騒音トラブル

まず離婚についてお話します。

離婚の慰謝料の相場というのは離婚原因により大きく分かれています。

離婚原因にはどのようなものがあるのでしょうか?

はい、離婚原因は不貞(不倫)・暴力・悪意の遺棄と大きく分けて3つあります。

3つ目の悪意の遺棄とは、どのようなことを指すのでしょうか?

悪意の遺棄というのは、面倒を見ない・生活費を渡さずにずっと放置している状態などのことを言います。

まず1つ目の不貞の場合の慰謝料については、大体150万円~500万円くらいのイメージです。この金額の幅がなぜ出てるいるのかは後ほどお話します。

次に2つ目の暴力は、100万円~300万円くらいというイメージです。

不貞より小さいんですね。

そうですね。

ただ、そこについては他の要素が組み合わさっている部分があると思います。

不貞と暴力どちらが高い・安いというよりは同じくらいのイメージです。

3つ目の悪意の遺棄については200万円~300万円くらいで最低金額は他に比べると高いというイメージです。

3つそれぞれに金額の幅がありますが、この金額の幅は離婚原因と関係ない部分の要素が考慮されています。

どのような要素が考慮されるのでしょうか?

考慮される要素として、婚姻期間や支払い側の資力、あとは夫婦のどちらが悪いのか、未成年の子供がいるのかどうかなどです。その中でも大きな要素となるのが婚姻期間になります。

婚姻期間が長ければ長いほど高額になる傾向になります。

その婚姻期間と慰謝料が認められた金額をまとめた表はこちらになります。

離婚の慰謝料相場
※千葉県弁護士会編『慰謝料算定の実務 第2版』(ぎょうせい、2016)9頁を基に作成。

婚姻期間が五年未満ということになると、ボリュームゾーンは50万円以上300万円以下になります。

20年以上になると、ボリュームゾーンは300万円以上になります。

先ほど金額に幅があるということを申し上げましたが、金額幅の要因の一つが「婚姻期間」となり、婚姻期間により慰謝料額が大きく変わります。

先ほど、3つ目の悪意の遺棄の相場は200万円~300万円とお話をしましたが、悪意の遺棄は他の離婚原因とくらべ最低金額が高くなっています。

なぜ高くなりがちなのかというと、やはり婚姻期間が長くなり、長い期間遺棄されてから離婚する、といった事例が多いので最低金額は高くなる傾向にあります。

子供のいじめの慰謝料相場

少し前に「いじめ保険」が話題になったりもしましたが、いじめの慰謝料の相場についても教えてください。
「いじめ保険」についてはこちら(https://m01.preventsi.co.jp/index.php?dcd=pux59OSU

はい、子供のいじめについてもいろいろな要素を勘案して慰謝料額が決まります。

考え方としてはパワハラと似たようなところもあり、いじめの期間・回数・頻度・対応、あとは加害者と被害者の関係ということを考えて決めています。

大きな要因の一つとして、「結果の重大性」といったものがあります。

「結果の重大性」というのは、いじめられた子が亡くなった場合や、自殺した場合などのことを言います。

例を一つ挙げると、長期間反復継続して執拗な暴行を受け、その暴行が原因となり自殺してしまったといういじめの事例です。

このいじめの事例については、本人分の慰謝料として2000万円、ご両親の慰謝料として250万円が認定されました。

いじめの結果、死亡に至った場合の慰謝料の相場としては、1000万円~2000万円くらいのイメージになります。

一方で、そこまで悪質とは言えない、被害も深刻とは言えない、ということで10万円の慰謝料を認めたという事案もあります。

これは保育園で他の園児からいじめを受けていた事例でした。

やはり行為の悪質性と結果の重大性の二つで大きく相場が変わるというイメージになります。

隣人との騒音トラブル、苦情の慰謝料相場

近隣トラブルの慰謝料相場

次は個人としての問題もあると思いますが、事業者としては加害者になり得る「相隣関係」、騒音や異臭の問題での慰謝料相場についてお話したいと思います。

まず騒音についてです。

騒音については、騒音規制法や条例で定められている規定を超えているかどうかという部分が一つの大きなポイントになります。

また、どれだけの期間騒音が出ているのか、被害の内容・程度・不眠が生じているのかどうか、といった部分が勘案されます。騒音の慰謝料についても幅があり、10万円~100万円くらいが相場となります。

一つ目の事例は、約3週間の間、日曜日以外の日中に断続的な騒音があり、ストレスでうつ病が悪化したといった事例です。

どの程度の騒音だったかというと、騒音時に体感震度で3以上の振動が確認されていたそうです。

これは近隣住民に50万円の慰謝料が認められました。

これは建築工事の事例でして、慰謝料の対象は一人だけではありません。工事現場の近隣住民一人あたりに対して50万円程度の慰謝料が認められています。

騒音の場合は慰謝料を支払う対象者が複数になることもあり、合算すると大きな金額になることもあるんですね。

騒音というと、アパートやマンションに住んでいると、生活音が気になったりすることがありますが、そのような事例はありますか?

はい、同じ建物内の住民同士のトラブルで、被害を受けた方が抑うつ状態となり、不眠・適応症障害が発生したといった事例があります。

また、この被害を受けられた方は、騒音が原因で転居をされています。

これについては30万円という慰謝料が認められました。事前に関係者で協議を行い、防止に努めるということが決められていたのにも関わらず、守らなかったことが一つのポイントとされています。

騒音以外では、どのようなトラブルが起こるのでしょうか?

よくあるもう一つのトラブルとしては悪臭問題です。

これも騒音と同じように、加害行為の継続期間や頻度、規制基準違反があったかどうかなどが判断材料として見られます。

ただ悪臭問題については、特殊な事例を除くと大体30万円以下の慰謝料にとどまります。

一つ事例を挙げると、猫の糞尿被害が慰謝料が認められた事例があります。

この糞尿被害の慰謝料については、3万円~13万円が認められました。金額を決定するための判断材料としては、住んでいる期間の長さや、糞尿被害を出していた家との距離などを考慮したそうです。

誹謗中傷、名誉毀損

誹謗中傷の慰謝料相場

最後にインターネット上の誹謗中傷についてお話します。

以前に、誹謗中傷は「名誉毀損」「侮辱」「プライバシー侵害」の3つに分かれますといったお話をさせていただきましたが、慰謝料の相場もその3つによって異なってきます。

まず1つ目の名誉毀損についてです。

これは被害者側の事情として、社会的地位がどうなのか、社会的評価がどの程度低下したのか、営業上の不利益が生じたのか、社会生活上不利益を被ったかどうか、などが考慮されます。

一方で加害者側の事情として、なぜ誹謗中傷を行ったのかといった動機・目的、名誉棄損の内容、真実かどうか、といったところを見て慰謝料は決まります。

今申し上げたとおり被害者側の社会的地位が割と影響していていまして、社会的地位により相場が分かれています。

まず一般の個人の方の場合は、大体10万円~50万円くらいの慰謝料となってきます。

個人ではなく、事業主や法人になってくると、慰謝料としては50万円~100万円となります。

また、著名人・芸能人・政治家になると、100万円~200万円となります。

社会的地位によって結構変わってくるんですね。

そうですね、名誉毀損というものは、名誉毀損される度合いにより被害が大きく変わるといった考え方ですので、著名人の方が名誉棄損の度合いが高いとして、慰謝料が高くなりがちです。

名誉毀損とくらべ、侮辱やプライバシー侵害については慰謝料の額が少し安くなり、2つ目の侮辱の場合だと大体10万円~50万円しか慰謝料は認められません。

3つ目ののプライバシー侵害についてもやはり侵害されたプライバシーの内容や対応や悪質性など色々見て相場が決まります。

プライバシー侵害についても一般人か著名人かで分かれてきて、一般人だと5万円~10万円、著名人だと50万円~100万円の慰謝料が認められています。

最近ニュースなどで「誹謗中傷の慰謝料が少ないから誹謗中傷が減らない」といったような声も聞きますが、専門家の方から見られても、誹謗中傷の慰謝料相場はやはり低いと思われますか?

確かに低いと思うことはあるのですが、一方で、申し上げた通り精神的損害は金額に直しづらいというところはあります。

ですので、慰謝料の金額を高くすればそれだけで名誉棄損や誹謗中傷が減るのかというと、そうでもないのかなという気はします。

確かに誹謗中傷以外の慰謝料の相場を見ても、人の命が失われた場合でもその程度の慰謝料にしかならないんだなと思ったので、誹謗中傷だけではなく、その他の事案も踏まえ考えていく必要があるのかもしれませんね。

本日はありがとうございました。


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