【弁護士が解説】介護事業所経営のトラブル。モンスタークレーマー対応と正当な苦情対応!デイサービス・訪問介護・介護老人保健施設・特別養護老人ホーム等

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介護事業所経営のトラブルについて齊藤弁護士よりお話をいただきます。モンスタークレーマー対応と正当な苦情対応!デイサービスなどを詳しく解説します。

今回のテーマは、介護事業所経営のトラブル。

介護事業所経営のトラブル

今回は齊藤弁護士にお越しいただいております。

よろしくお願い致します。

今回は介護事業者が直面するトラブルと、その対処方法について教えていただきたいです。

最近、介護事業者の方から弁護士費用保険のお問い合わせをいただくケースが多いのですが、介護事業者の方はどのようなトラブルに遭われるのでしょうか?

介護事業所経営で直面するトラブルの内容(デイサービスなど)

介護事業所経営のトラブル

はい、介護事業者では様々なトラブルがあります。
分かりやすいところで言うと

ヘルパーさんがちょっとした失敗をしてしまった時に「あのヘルパーはなってない」という様なクレームが来たり

「歩行補助をしていたら倒れてしまいました」という事故となるもの

「そんな説明聞いてない、責任者出せ」といったクレームに繋がる契約上のトラブルなどです。

他にも
「納得がいかないからどうにかしてくれ」
「(批判を)インターネットに書き込むぞ」
「あったものがないんだ」
「ヘルパーが盗ったに違いない」
「知らない傷が増えてるんだけど」
など、いろいろと多岐にわたるトラブルが実際にあります。

それらのトラブルに対して、介護事業者の方はどのように対応していくべきですか?

正当な苦情対応とモンスタークレーマーへの対応

介護事業所経営のトラブル

まず、苦情やクレームについては、大きく分けて二つあります。

一つは「正当な苦情」。
介護事業者側に責任があるような苦情です。

もう一つは、いわゆるモンスター(悪質な)クレーマーです。

これを分けて考えないと、しっかりとした対応ができないと思います。

そうなんですね。
では、「正当な苦情」と「悪質な苦情」をどの様にして分ければ良いのでしょうか?

はい、ここで一番大事なことは、何かトラブル・クレームが起こった時には、最初に事実確認をしっかりと行うということです、

相手の感情が執拗に燃え上がってきて勢いよく来られると、
「すみませんでした」
「保険で対応します」
「こちらで責任とります」
と、ついつい言ってしまいがちです。

それをまずはグッと堪えていただいて、
「お気持ちを害した事は申し訳ございません」
「こちらで調査を行い、然るべき対応をさせていただきますので少々お時間をください」
という形で一旦時間をもらい、しっかりとした事実を把握する事が大事になります。

その事実を確認する為には、お客様からの聞き取りも必要となります。聞き取りについても感情的にはならず冷静にお客様のお話を聞いて、その内容をしっかりとレコーダーで録っておく事や、後で言った言わないとならないように一人ではなく複数人で聞く事も大事です。

その他に気をつける事として、常日頃から介護記録をしっかりと取っておくことです。

トラブルが起こってから冷静になることも大事ですし、冷静になって考えるためにもトラブルが起こる前からしっかりと記録を付けておくことも大事です。

その両方の事をしっかりと行い、事実を把握します。

その上で、介護事業者側が悪いのか

介護事業者側は悪くはなく、お客様が感情的になっているだけなのか

あるいは、介護事業者側に若干の落ち度はあるが、お客様が要求している金額があまりに大きいのか

といったところで、悪質なのか悪質ではないのかを分ける事が出来ますので、その上でそれぞれに応じた対応が必要になってくると思います。

介護事業所経営のトラブル

特に悪質なクレームには、四つの種類があります。

一つ目が性格的な面です。

どういうことかというと、独善的な価値観・思い込みから自分の価値観と違う為に執拗にクレームや不当要求を繰り返すようなクレームです。

二つ目は精神的な面です。

介護事業で多い事例で、精神的にヘルパーさんに依存してしまっており、甘えの様な感じで密着して執拗に絡んでくるというクレームです。

三つ目は常習的・悪質的な面です。

比較的に支払いやすい「5万円や10万円を支払え」という金品要求を何度も繰り返し行います。その要求に安易に答えてしまうと、同じような要求を繰り返し行ってくる常習的で悪質的なクレーマーです。

4つ目が反社会的な面です。

暴力団だと自称したり、「俺は暴力団と知り合いなんだ」と言う事で、金を支払わせて利益を得ようと考えているクレーマーです。

今の4つに該当する場合、悪質クレーマーだというカテゴリーで対応せざるを得ないかなと思います。

悪質クレイマーの行動として具体的に、恐喝・強要・セクハラ・暴言・暴力を振るわれると、これは明らかな刑事的な犯罪になります。

そのような行動が当てはまるな場合、明らかな悪質クレーマーという形で対応していただければ良いと思います。

警告、警察への相談、裁判での損害賠償請求

介護事業所経営のトラブル

そのような方に対しての対応には、どの様な方法がありますか?

まず悪質なクレーマーに対する対応ですが、これは分かりやすくて、明らかに悪質クレーマーだと判断した場合には警告を出すことです。

「もうそういうことはしないで下さい。」
「こちらはその件に対して、対応するつもりもありません。」
「繰り返されるようでしたら、しかるべき措置を取ります。」
最後通牒の様な形で警告をします。

それに対してまだ同じような事をされた場合は、警察に相談を行ったり、契約自体を解除したり、損害賠償請求をしていく等、それぞれに応じた対応を淡々と進めて行く事が悪質なクレーマーに対する対応方法となります。

悪質でないクレームへの対応方法

介護事業所経営のトラブル

もう一つの悪質ではないクレーマーに対しては、ある程度介護事業者側に非がありますので、謝罪を行い、謝るべき事はしっかりと謝り、相手がどの様な対応で納得するのかという事をしっかりと話し合う事が大事です。

その中で、例えば虐待にあたるような事案だと、対象の人に謝るだけでは済まない問題になります。

然るべき報告を行政にしっかりと行い、後は再発防止という観点から従業員に対する研修・教育をどの様に整えていくのか、社内体制の見直しをしっかりと行わなければなりません。

また内容によっては、トラブルが起きてしまったことを隠したくなる事もあります。

たしかに、トラブルが起きたことがバレてしまうとイメージの低下に繋がるかもしれません。ただ、それ以上に、隠そうとしていた事がバレる方がよほどイメージが悪くなるので、対応についてはしっかりと行っているという事を示す意味でも、正直に報告を行った方が良いと思います。

先ほど申し上げたとおり悪質なクレーマーと、そうではないクレーマーに分けて、それぞれしかるべき対応を行っていく必要があります。

ですが、実際のところ難しいというお声も多いかと思います。

難しい理由として、「顧客主義」といった考え方があげられます。

「お客様だから。」
「そのお客様の立場に立って考えましょう。」
「クレームに対して、お客様が納得いくまで対応を心がけることによりお客様がお得意様となり、会社の利益につながります」といった考え方です。

クレームはサービス改善に繋がるのだからしっかりと対応しましょうという「顧客主義」が一面正しいのですが、あまりにもそれに引きずられてしまうと、悪質クレーマーに対して然るべき対応を行うことが出来なくなり、その会社にとっても従業員にとっても良くない形になってしまいます。

ですので、先ほど申し上げたとおり、事実を確認してその人が言っていることが法的に根拠があるのかどうか、正しいことなのかどうか、という事をしっかりと見極めて、冷静に対応していただいた方が良いかなと思います。

本日はありがとうございました。


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